SEOで重要なドメインパワーとは?確認方法と向上させる方法を解説
この記事で分かること
- ドメインパワーの概要
- ドメインパワーを確認する方法
- 実際にドメインパワーを上げる方法
ドメインパワーは、Webサイトがどれだけの権威性を持っているかを判断するための、SEOにおいて重要な要素です。
この記事ではまず最初に、ドメインパワーという用語が生まれる事となった経緯と、ドメインパワーを確認する方法、実際にドメインパワーを向上させる方法について解説していきます。
ドメインパワーとは
ドメインパワーとは、検索エンジンからどれだけ権威性があり、評価されているのかを示す指標となります。
ドメインパワーは、ドメインの運用歴、被リンクの数など、さまざまな要因によって決まります。
ドメインパワーが高いWebサイトは、一般的にドメインパワーが低いWebサイトよりも、検索結果の上位に表示される可能性が高まります。
ドメインパワーは検索順位を決める要素なのか?
ここでまず注意したいのは、ドメインパワーは検索順位を直接決定づける要素ではないということです。
ドメインパワーはGoogleの公式な指標ではなく、あくまで第三者がドメインの権威性を数値で判断するために使われている指標です。
よくある誤解として、ドメインパワーをGoogleが以前公開していたPageRankと混合し、検索順位を決定づける指標として解説しているサイトが多く見られます。
ここからは、そうなった原因と最終的にドメインパワーという言葉が生まれることになった経緯を詳しく見ていきましょう。
ドメインパワーの起源となったPageRank(ページランク)
Googleは、2000年頃にWebサイトのページ品質を判断する指標として、PageRankシステムを導入しました。
PageRankはブラウザ上の専用ツールバーから確認することができ、0~10の範囲で数値的に評価が行われるものでした。
GoogleがこのPageRankシステムを導入した結果、当時のSEO界隈では、このPageRankを悪用し大量の被リンクの売買やキーワードの乱用が行われ、検索順位を強引に操作するようなサイトが乱立する状況になってしまいました。
このような背景から、Googleは2014年にツールバーの更新を停止し、2016年にPageRankの公開を完全に廃止しています。
これはGoogleが検索アルゴリズムの一部としてPageRankの使用をやめたことを意味するのではなく、誰もが確認できるオープンな指標ではなくなっただけであり、今でもPageRankは検索順位に重要な影響を与える指標です。
実際、2017年にGoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)はTwitterで、Googleは今でも検索順位を決定づける指標として、PagaRankを利用していることを説明しています。
その後、多くのSEO業者がPageRankの代わりとなる指標を導入、展開していく流れになります。
PagaRankに代わる指標の登場
まず、米国のSEOツール開発企業であるMozが、PageRankの代わりとなるドメインオーソリティ(Domain Authority)という新たな指標を導入しました。
Mozがドメインオーソリティを発表して以来、様々なメディアで「ドメインオーソリティはGoogleの公式的な評価指標である」と誤解が生まれることになります。
ドメインオーソリティはPagaRankと細かな違いはあるものの、ドメインの権威性を数値で判断できる指標としては信頼できるものであり、多くのSEO業者はこれを機に、ドメインオーソリティを評価指針として利用することになります。
その後に様々な企業が独自の指標を導入
Mozが新たな指標を先導した後に、その他のSEOツール開発企業も、公平性を保つために独自の指標を導入していきました。
- Ahrefs:ドメインレーティング(Domain Rating)
- Semrush:オーソリティスコア(Authority Score)
- Majestic:トラストフロー(Trust Flow)、サイテーションフロー(Citation Flow)
これらの指標は、開発会社により名称や評価の計算方法に細かい違いはありますが、どれもドメインの権威性を数値で判断する際に現在でも多くのSEO業者に使われています。
日本国内では、この各会社が公表している評価指標を一括りでまとめて、ドメインパワーと呼ばれていることが多いです。
繰り返しにはなりますが、ドメインパワーはPageRankに近いものではありますが、Googleの公式指標ではないということだけ注意してください。
ドメインパワーの平均目安
大半のツールにおいて、ドメインパワーは0~100の範囲で判定されており、60~80の数値よりも、20~30の数値から改善していくほうが比較的難易度は低めです。
自身のサイトのドメインパワーがどのくらいの位置にいるのか知りたい場合は、下記の数値を参考にしてみてください。
- 10未満:改善が必要なスコア
- 10~20:平均より下のスコア
- 20~30:平均的なスコア
- 30~40:平均より上のスコア
- 50以上:非常に優れたスコア
ここで押さえておきたいポイントとして、スコアは他サイトとの相対評価になります。
一度ドメインパワーを高めても、他サイトのドメインパワーが高くなれば、自身のスコアは下がるということです。
また、ターゲットとしているキーワードで上位表示されている競合サイトがスコア30未満だった場合、自身のサイトのスコアを30~40にすることが大切になります。
なので、自身のサイトスコアを必ずしも50以上にする必要はありませんので、競合分析をしっかり行い、相対評価で見ることを重視していきましょう。
ドメインパワーを確認する方法
ここからは、ドメインパワーを実際に測定できるツールについて紹介していきます。
Moz
Mozは、検索エンジン最適化ツールに特化した米国のソフトウェア会社です。
Mozが提供している、Link Explorerというツールを使うことにより、自身のサイトのドメインパワー(ドメインオーソリティ)を確認することが可能です。
会員登録すれば、無料トライアルで月に10回まで計測が可能です。
Ahrefs
Ahrefsは、2011年に米国で設立されたWebサイト、アプリ開発会社です。
Ahrefsのサイトエクスプローラーという機能で、サイトのドメインパワー(ドメインレーティング)を測定可能です。
Ahrefsは現在無料トライアルを提供しておらず、利用するには有料プランへの加入が必要になります。
ドメインパワーを測定するだけではなく、競合サイトの被リンクデータの確認、サイト全体の監査、キーワード分析など、幅広い機能が提供されています。
日本語にも対応していて、使いやすいのもポイントです。
Semrush
Semrushは、マーケティング総合支援ツールを提供している米国の会社です。
Semrushのドメイン概要で、サイトのドメインパワー(オーソリティスコア)を確認することができます。
Semrushは、SEOだけでなく広告やSNSなどといった幅広い領域でのサポート機能が充実しており、Webマーケティングを総合的に支援してくれるツールとなっています。
14日間の無料トライアルが提供されているので、使用したことがない方は、これを機に一度利用してみることをおすすめします。
一部のコンテンツマーケティング機能などを除いて、日本語にも対応しています。
Majestic
Majesticは、英国に本拠地を置くWebトラフィック解析会社です。
Majesticが独自で算出している、トラストフロー(Trust Flow)という指標は、被リンクの量よりも、品質の高さに重きを置いた指標であり、質の高い被リンク構築を強力にサポートしてくれるツールとなっています。
MajesticもMoz、Semrush同様に、無料トライアルから利用を開始することが可能で、日本語にも対応しています。
パワーランクチェックツール
パワーランクチェックツールは、SEO対策ツールや、中古ドメイン販売などをおこなう株式会社アクセスジャパンが提供しているツールとなります。
株式会社アクセスジャパンが独自で算出しているドメインパワーを、誰でも無料で測定することが可能です。
ドメインパワーを向上させる方法
ここからは、実際にサイトのドメインパワーを上げる方法をいくつかピックアップし、それぞれ解説していきます。
関連性のあるサイトから被リンクを獲得する
ドメインパワーを高める最も代表的な方法の一つは、他のサイトから被リンクを獲得することです。
2020年にAhrefsが公表したデータによると、66.31%のサイトには被リンクが1つも付いておらず、それが要因でGoogleからの検索トラフィックを得ていないことを公表しています。
このデータからわかるとおり、半分以上のサイトは被リンクがほぼ付いておらず、ドメインパワーも0に近いサイトが大半を占めている状況になります。
被リンクが付くということは、そのサイトが第三者から信頼されている証拠となり、ドメインの権威性を高めることができます。
ここで注意しておきたいのが、自身のサイトと関連性がある被リンクを獲得することが大切ということです。
例えばあなたが美容院を経営していて、自身の店舗サイトに金融情報を扱っているサイトからの被リンクが付いても価値がありません。
関連性がある被リンクを獲得するための代表的な施策としては、競合他社の被リンクデータを確認し、自身のサイトにも被リンクをしてくれそうな被リンク元サイトに直接依頼をする方法になります。
競合の被リンクデータを調査するには、「ドメインパワーを確認する方法」で紹介した、MozやAhrefsなどのツールを使うことで調べることができます。
サイト監査を実行し低品質な被リンクを排除する
前述で説明したとおり、サイトのドメインパワーを高めるために被リンクは重要なものになりますが、低品質な被リンクを獲得するとドメインパワーに悪影響を与えることがあります。
被リンクが低品質なものかどうかは、Googleのリンクプラグラムに明記されているので参考にしてください。
自身のサイトの被リンクデータを確認するには、MozやAhrefsなどが提供している被リンク分析ツールを使うのが便利です。
低品質な被リンク元を特定したら、まずは被リンク元サイトへ被リンクの削除を依頼してみましょう。
依頼しても対応してくれなかった場合は、Googleサーチコンソールのリンク否認ツールから、否認したいページやドメインなどを記載したファイルをアップロードしてください。
第三者が被リンクしたくなるような高品質なコンテンツを作成する
サイト内のコンテンツが、多くのユーザーにとって非常に有益で信頼できる情報で構成されている場合、自然と第三者はそのサイトのコンテンツを様々な場所で共有(被リンク or 言及)することになります。
第三者から共有されやすいコンテンツの特徴としては下記のようなものになります。
- 一次情報
- 実体験に基づく情報
- 情報鮮度が高い情報
- 権威のある著者が書いた専門的な情報
加えて高品質なコンテンツを作成するには、サイトやページのE-E-A-Tスコアを高めるのが重要です。
E-E-A-Tについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
サイトのユーザーエクスペリエンスを向上させる
ユーザーが使いやすく便利なサイトを作るには様々な施策がありますが、代表的な施策としては下記を意識することが重要です。
- ユーザーが欲しい情報に辿り着きやすいサイト構造:理想は全てのページにおいて3クリック以内で辿り着くように設計する。
- モバイルファースト:モバイルデバイスで問題なく閲覧できるかどうか、可能であればタブレットで閲覧するユーザーにも配慮するようにする。
- サイトの安全性(セキュリティ)が担保されている:基本的にはSSL通信が確立されていて、httpなどの例外的なアクセスに対してリダイレクトを掛けるように設定を行う。
ユーザビリティを向上させるには、SEOの内部対策が不可欠になります。
SEOの内部対策について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
サイト内の内部リンク構造を最適化する
これもサイトのユーザービリティを向上させる方法の1つになるのですが、サイトの内部リンク構造を最適化するのは重要です。
1つのページ内に、関連するコンテンツへの導線を作ることにより、ユーザーの関心を保ち、離脱率を下げることが可能です。
サイトの内部リンク構造を最適化するには、トピッククラスター戦略を取り入れるのがおすすめです。
加えて、SEOにおいてリンクジュース(PageRank)を渡すという考え方があります。
リンクジュースとは、あるページから別のページへ被リンクされた時に渡される価値を表す用語です。
リンクジュースは、検索結果でページがどの程度上位に順位付けされるかどうかを決定するために使用されます。
あるページが高いリンクジュースを持つためには、他のページから一定数の被リンクをされている必要があります。
高品質のページからの被リンクは、低品質のページからの被リンクよりも多くのリンクジュースを渡すと言われています。
サイト内のユーザーから評価の高いページを、自サイトの他ページに適切にリンクを設置することにより、サイト全体の検索順位、最終的にはサイトの権威性を高めることできます。
まとめ
ドメインパワーは、サイトの権威性を示す重要な指標です。
ドメインパワーを高めるためには、被リンクの数や質、サイトの運用年数、コンテンツの質など、さまざまな要因が考慮されます。
ドメインパワーは、MozやAhrefsなどのSEO調査ツールで確認することができます。
ドメインパワーは第三者がサイトの権威性を数値的に確認するための指標であり、Googleが検索順位を決定する公式的な指標ではないということだけ注意してください。
しかし、検索順位で上位表示されているサイトは大半がドメインパワーが高いサイトばかりなのは間違いありません。
今回の記事で紹介した、ドメインパワーを確認する方法、ドメインパワー向上させる方法を参考にしてもらえると幸いです。
最後にこの記事が参考になった、あるいはご質問などがある方は、ぜひコメント欄でお聞かせください。
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