ブラックハットSEOについて解説|現状でも効果はあるのか?
この記事で分かること
- ブラックハットSEOの概要
- ブラックハットSEOの手法
- ブラックハットSEOは今でも有効かどうか
ブラックハットSEOが今でも有効かどうかについては、現在でも国内国外問わず、様々なメディアで議論がされています。
ブラックハットSEOの戦術はもはや有用ではないと考える人がいる一方で、Webサイトへのトラフィックを促進する上では今だに役立つと言及、実施している人もいるのが事実です。
この記事では、ブラックハットSEOのさまざまな側面を改めて探り、今現在これらのテクニックを使用する価値があるかどうかを解説していきます。
ブラックハットSEOとは?
ブラックハットSEOとは、検索エンジンの検索結果ページ(SERPs)におけるサイトの検索順位を向上させることを目的とした、さまざまな手法を指す用語です。
ブラックハットSEOの手法は、基本的に検索エンジンのガイドラインに違反しており、サイトがペナルティを受けたり、SERPsから完全に除外されたりする可能性があります。
一般的なブラックハット技術には、キーワードの乱用、リンク集サイトへの参加、クローキングなどがあります。
これらのテクニックは短期的には成果を上げるかもしれませんが、最終的にはサイトの評判や長期的な成功に良い影響を与えるよりも、悪い影響を与えるというデメリットがあります。
そのため、一般的にはブラックハットSEOの手法を使用しないことが推奨されています。
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違い
SEOの手法には、大きく分けてブラックハットSEOとホワイトハットSEOの2種類があります。
ブラックハットSEOは、先程も説明したとおりガイドラインに違反したテクニックを用います。
一方、ホワイトハットSEOは、ガイドラインに準拠した品質の高いコンテンツを提供し、サイトの長期的な健全性を向上させる正統的なテクニックを使用することに重点を置いています。
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの大きな違いの1つは、結果が出るまでに必要な時間の長さです。
ブラックハットSEOは、短期間で順位を上げることができますが、リスクが高く、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。
ホワイトハットSEOは、結果が出るまでに時間がかかりますが、より持続可能なアプローチであり、長い目で見れば、良い成果を得ることができるのは間違いありません。
もうひとつの違いは、リスクの度合いになります。
ブラックハットSEOは、検索エンジンを騙そうとするアプローチを取るため、非常にリスクが高いです。
ホワイトハットSEOは、ルールを守り、質の高いコンテンツを提供することに重点を置いているため、リスクははるかに低くなります。
ブラックハットSEOの手法
ブラックハットSEOのテクニックは、一般的なSEOコミュニティでは嫌われてる風潮がありますが、手っ取り早く結果を出すために、一部のSEO担当者に現在でも使われているのが現状です。
ここでは、一般的なブラックハットSEOのテクニックを紹介していきます。
キーワードの乱用
キーワードの乱用とは、検索エンジンのランキングを操作しようとして、ターゲットとしているキーワードやフレーズを不自然に繰り返す行為のことです。
この行為は、「キーワードスタッフィング」とも呼ばれ、キーワードの乱用はスパムの一種とみなされ、Googleや他の検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。
キーワードの乱用は、通常、ウェブページ、ブログ記事、その他のオンラインコンテンツに過剰なキーワードを追加することで行われます。
Googleはキーワードの乱用を次のように説明しています。
・実質的な付加価値のない電話番号の羅列。
・ウェブページが特定の市町村や都道府県に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために市町村名や都道府県名を羅列したテキストのブロック。
・同じ単語や語句を不自然に感じられるほどに繰り返すこと。
引用元:無関係なキーワードとキーワードの乱用 – Google検索セントラル
こららの目的は、検索エンジンに対してコンテンツの関連性を高め、検索結果におけるページの順位を上げることにあります。
しかし、この方法は現在ほとんどの場合、裏目に出ます。
ユーザーは繰り返しの多いコンテンツにすぐに飽きてしまい、そのページをクリックすることを避けてしまう可能性が高いでしょう。
このことから、キーワードの乱用は避け、ユーザーと検索エンジンの両方にアピールする質の高いコンテンツを作成することに集中するのが一般的です。
クローキング
クローキングとは、Webサイトが検索エンジンに対して、人間のユーザーとは異なるコンテンツを表示させる、ブラックハットSEOの手法です。
クローキングは、検索エンジンのアルゴリズムを欺いて、実際よりも関連性や権威のあるサイトであると思わせる試みであるため、ブラックハットSEOの手法の一つとして考えられています。
クローキングは、テキストと画像の両方で行うことが可能です。
テキストのクローキングは、検索エンジンのクローラー用と人間の訪問者用に異なるキーワードを含むテキストを使用することで実現されます。
画像のクローキングは、検索エンジンのクローラーにのみ見える透明な画像を使用することで実現します。
リダイレクトの悪用
リダイレクトは、本来SEOの基本的なテクニックです。
リダイレクトは、移動または削除されたページの場所を検索エンジンに伝え、ユーザーに正しいページに誘導するのに役立ちます。
しかしリダイレクトは、ブラックハットSEOによって悪用されることもあります。
リダイレクトの悪用とは、リダイレクトを利用して、ユーザーを無関係なページや低品質のページに誘導することを指します。
これは偽のリダイレクトを作成したり、301リダイレクトを使用してユーザーを無関係のページに誘導したり、302リダイレクトを使用してGoogleの品質アルゴリズムを回避することによって行われる可能性があります。
リダイレクトの悪用は、ユーザー体験の低下を招き、ユーザーと検索エンジンのクローラー両方に負担を与えるため、深刻な問題であると言われています。
不正なリダイレクトの例としては、次のようなものが挙げられます:
・検索エンジンには 1 つのコンテンツ タイプが表示されるが、ユーザーはまったく違うコンテンツにリダイレクトされる。
・PC ユーザーには通常のページが表示されるが、モバイル ユーザーはまったく別のスパムドメインにリダイレクトされる。
引用元:不正なリダイレクト – Google検索セントラル
被リンクの購入
被リンク購入はその言葉通り、検索エンジンの順位を上げるために、被リンクに対してお金を払うという行為です。
この行為は、”GoogleはPageRankを渡すリンクの購入を容認しない“とする、Googleのウェブマスターガイドラインに真っ向から違反するものです。
被リンクの購入は、リスクがあるにもかかわらず検索順位を上げるのに有効であるため、一部のSEO業者の間で依然として人気のある施策です。
しかし、Googleはこのような行為を行うサイトを検知し、ペナルティを与えるために常にアルゴリズムの改善を行っています。
Google では、過度のリンク交換や購入したリンクでの PageRank の転送など、検索エンジンの結果の操作を目的としたリンクについては評価を下げるように努めています。
PageRank を転送するリンクを売買しているサイトを見つけた場合は、Google までお知らせください。
お送りいただいた情報は、Google でそのようなリンクを検出するためのアルゴリズムの改善に役立てさせていただきます。
引用元:有料リンクの品質に関するガイドライン – Google検索セントラル
構造化データ・リッチリザルトの悪用
ブラックハットSEOの手法として、構造化データ・リッチリザルトの悪用が挙げられます。
これは、WebサイトがGoogleの検索結果上においてリッチリザルトで表示される可能性を向上させようとするために、不正確または誤解を招くような形で構造化データを使用する手法です。
構造化データに意図的に間違った情報を追加したり、ページのコンテンツに関連していない構造化データを使用することによって行われます。
これは、検索結果に不正確な情報が表示される可能性があり、検索ユーザーにとって好ましくないだけでなく、Googleがそのウェブサイトに対してペナルティを課す、あるいは検索結果から完全に削除するなどの措置を取る可能性があります。
スパムコメント
スパムコメントとは、一般的に自動化されたプログラムによって作成され、本来のサイトのコンテンツとは無関係のキーワードやリンクが含まれているコメントのことです。
スパムコメントは、Webサイトにコメントを残すという作業を行うことにより報酬を得ている人々によって作成されることもあります。
これらのコメントは、製品やサービスに対する好意的なレビューであったり、他のサイトへのリンクが含まれていたりすることがよくあります。
スパムコメントを定期的にチェックするのは管理コストが発生しますが、放置しておくとサイトの検索順位に悪影響を与える可能性があると言われています。
リンク集サイト
リンク集サイトとは、特定のWebサイトの被リンク数を増やすことのみを目的として存在するWebサイトです。
リンク集サイトは、質の高い被リンクを構築するというGoogleのガイドラインに反するため、ブラックハットSEO手法の一つとして考えられています。
やり方としては、手動でページに被リンクを追加したり、自動化されたソフトウェアを使用して数百または数千の被リンクを生成することによって行われます。
リンク集サイトは、自分のWebサイトの検索順位を上げるためだけでなく、競合他社のWebサイトの検索順位や評価を下げるために、スパマーによって利用されることもあります。
これらは短期的に見ると効果的ですが、一般的に長期的には持続不可能な施策であり、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。
プライベートブログネットワーク(PBN)
プライベート・ブログ・ネットワーク(PBN)とは、ターゲットとしたサイトへの被リンクを構築するために使用されるWebサイトのネットワークグループです。
国内ではサテライトサイトと呼ばれている場合もあります。
被リンク構築による検索順位向上を目的としているという点については、前述のリンク集サイトに近いものになります。
PBN内で構築されたWebサイトは、同じ人物や組織によって管理され、関連性が高いコンテンツを含むケースが多く見られるのが特徴になります。
また、Googleから関連性を疑われないように、PBN同士の被リンクは行わないというのも大きな特徴となっています。
PBNもリンク集サイトと同様に、被リンク構築に関するGoogleのガイドラインに反するため、ブラックハットとみなされて、Googleからペナルティを受ける可能性があります。
しかし、PBNはWebサイトの検索順位を向上させるのに効果的であるため、現在でもPBNを使い続けている人が多数いるのが現状です。
ブラックハットSEOを避けるべき理由
ブラックハットSEOを避けるべき理由はいくつかあります。
まず、単純に倫理的によろしくないという点です。
ブラックハットSEOは違法ではありませんが、フェアプレーの原則に反するという観点で、実施した事業や個人の評判を損なう可能性があります。
2つ目の避けるべき理由として、繰り返しになってしまいますが、長期的に見てあまり効果的ではないという点です。
Googleの検索エンジンは常にアルゴリズムを更新し、ブラックハットSEOを使用するWebサイトにペナルティを課しているため、益となるよりも害となる可能性が高いです。
一般的に、ブラックハットSEOを行うことは避けるのが賢明です。
倫理に反し、効果も続かず、コストもかかります。
Webサイトの検索順位を安全に上げたいのであれば、質の高いコンテンツを作成し、ユーザーに素晴らしい体験をさせることに集中しましょう。
ブラックハットSEOの全盛期は2011年頃まで
一時期、ブラックハットSEOはかなり効果的でした。
しかし、Googleのアルゴリズムが改善するにつれて、これらのテクニックを簡単に見破るようになりました。
2011年、Googleはパンダ・アルゴリズムと呼ばれるアップデートを発表し、このような行為を行っている低品質なサイトを特にターゲットにしました。
その結果、ブラックハットSEOに依存するWebサイトは、すぐに検索結果の最下部に追いやられるペナルティを受けるようになりました。
現在ブラックハットSEOは、検索順位を向上させたい人にとって、もはや実行可能な選択肢ではない、というのが一般的な見解です。
グレーハットSEOの存在
グレーハットSEOとは、SEO手法の一種で、ホワイトハットSEOとブラックハットSEOの中間に位置するテクニックを使用したものです。
グレーハットSEOは、競争相手より優位に立つために、Googleのガイドラインに対して常に許容範囲とされる限界に挑戦する手法を用います。
グレーハットSEOのテクニックは、最終的に標準的なSEO手法として受け入れられることもありますが、大半のテクニックはGoogleから非倫理的とみなされ、ペナルティなどを受けることになるのが通例です。
グレーハットSEOは万人向けではありませんが、ペナルティリスクを覚悟で取り組む人にとっては、Webサイトの検索順位を向上させる有効な手段になっているのも事実です。
ブラックハットSEOを回避する方法
ブラックハットSEOを回避するための対処法は次のとおりです。
気づかないうちにブラックハットSEOのテクニックを用いてしまっている場合もあるので、不安な方は是非参考にしてみてください。
- 最初から良いユーザー体験を提供することで、検索者と検索エンジンを同様に扱いましょう。リダイレクトや隠しページでクローラーを騙すことはせず、常にユーザーの検索意図を満たすことに焦点を当てましょう
- キーワードの乱用を避け、オリジナルのコンテンツを作成することが重要です。Googleは、質の高いコンテンツを作成するためのガイドラインをいくつか用意しています。
- Webサイトに構造化データを追加する際には、ルールに従うことが重要です。使用する構造化データは、ユーザーに誤解を与えたり不正確なものにならないようにし、代わりに検索に関する正確な情報をわかりやすく提供するようにしましょう。
- 被リンクを売買する行為は、ブラックハットSEOとみなされます。その対価として無料の商品を提供することも禁止行為にカウントされます。
- 被リンクを得るために、プライベートなブログネットワークを作るべきではありません。サイトの開設初期は有利に働く可能性がありますが、長期的に見ると効果的ではありません。自分のサイトやコンテンツを差別化して、自然に被リンクしてもらえるようにすることが重要です。
- 検索エンジンから禁止されているブラックハット戦術を避けるために、Googleのウェブマスターガイドラインの内容を常に把握しておきましょう。
↓Googleのウェブマスター向けガイドラインはこちら↓
まとめ
ブラックハットSEOとは、Googleのガイドラインに違反するような、非倫理的な手法によって検索エンジンでの上位表示を狙う手法です。
この種のSEOには、キーワードの乱用、クローキング、リンク集サイトなどが含まれます。
ブラックハットSEO戦術は、大半のケースでGoogleのペナルティにつながり、ページの可視性とトラフィックを減少させるため、リスクのある手法です。
Webサイトで長期的な成功を収めたいのであれば、ブラックハットSEOの手法には手を出さないことが賢明と言えるでしょう。
しかし、個人的には「リスクは承知」「早めに結果を出したい」「予算がない」といったケースの場合は、ブラックハットな手法を用いる場合もあります。
この記事では詳しく解説しませんが、ペナルティリスクを最小限に抑えたブラックハット手法も多く存在するので、気になる方は個別にご相談ください。
最後にこの記事が参考になった、あるいはご質問などがある方は、ぜひコメント欄でお聞かせください。
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