Google検索アルゴリズムとは?アップデートの歴史も解説

この記事で分かること

  • Googleの検索アルゴリズムの概要
  • 過去のアップデートの解説
  • アルゴリズムアップデートの影響を回避する方法

Googleは、検索アルゴリズムを1年の間に数千回更新しています。

これらのGoogle検索アルゴリズムの更新の大半はマイナーアップデートと言われ、細かい箇所の更新がメインで目立たないものです。

しかし、少なくとも年に1~2回行われる、大規模な更新(メジャーアップデート)によって、各サイトの検索順位と検索結果の画面(SERPs)が大きく変更されます。

特にメジャーアップデートの影響で、検索順位が変動するサイトが毎回多数確認されるので、これからSEO対策を始めようと考えている方、現在SEO対策を進めている方は、是非今回の解説内容を参考にしていただければと思います。

目次

Googleの検索アルゴリズムとは?

Googleの検索アルゴリズムとは?

Googleの検索アルゴリズムは、Google検索を行った際に、検索結果で表示される様々なサイトを順位付けするために使用される、一連のランキングシステム、プログラムのことです。

各サイトページからデータを取得して、検索者が何を探しているか(検索意図)を理解し、情報の関連性と品質に基づいて評価、順位付けを行います。

Googleの検索アルゴリズムは、一つのアルゴリズムだけでなく、複数のアルゴリズムで構成されており、順位付けを行うための評価項目は約200種類以上あると言われています。

Googleが検索アルゴリズムをアップデートする理由

Googleは常日頃、ユーザーファーストを提唱しており、検索者に最良かつ最も正確な検索結果を提供するために、検索アルゴリズムの定期的な更新および改善を行っています。

世界中の人々が Google 検索で情報を見つけ、興味のあることについて学び、重要な意思決定を行っています。

Google のサービスは人々の生活を支えるものであり、私たちのコミットメントが揺らいでしまうようなことがあってはなりません。

テクノロジーは進化し続けますが、Google は、情報を検索するユーザーの皆様を将来にわたって支援し続けます。

引用:Google検索の仕組み – Googleの使命

1998年以来、Googleは、検索結果の正確性と機能性のおかげもあり、世界で最も使用されている検索エンジンになりました。

Google Yahoo! bing その他
75.86%13.4%9.61%1.13%
検索エンジン国内シェア率(2023年5月時点) – Statcounter Global Stats

これまでのアップデートにより、主に下記項目の精度が高まりました。

  • 人間の言語(自然言語)を理解する
  • 検索者の検索意図を理解する
  • 検索者の位置情報に基づいた結果を提供する
  • 同様、もしくは関連した検索候補を提供する
  • サイトページの品質を判断する

検索順位を定める重要な要因6つ

検索クエリ(検索語句)の把握

検索されたクエリに対し、最適な結果を返すには、Googleはユーザーが何を検索しているのか、そしてユーザーの検索目的は何であるのかを正確に理解する必要があります。

  • 単語の意味 – クエリで使用されている単語は人間の言語(自然言語)において、正確には何を意味するのか?
  • 背景にある検索意図の把握 – 特定の検索キーワードに対して、検索者はどのような情報を望んでいるのか?
  • 情報鮮度の必要性 – 検索者が最新の情報を求めているのか?

情報の関連性

検索エンジンはどのページが検索クエリに関連しているかを把握、評価を行い、検索順位を決定しています。

これは、インターネット上のすべてのサイトを定期的にクロール(巡回)してインデックスを作成し、それらのコンテンツを分析することによって行われます。

分析の際には、コンテンツの提供側が設定したキーワードが重要な役割を果たします。

ページ内に検索クエリと検索クエリに関連するキーワードが含まれている場合、そのページは検索したユーザーに関連している可能性が高まります。

コンテンツの品質

検索クエリに対して、最適なページを検索結果の上位に表示できるように、コンテンツの品質性をGoogleは評価しています。

Googleはコンテンツの品質を、ページランクアルゴリズムを用いて評価していると言われています。

ページランクアルゴリズムは、Googleの検索アルゴリズムにおける、複数ある中の1つのアルゴリズムになります。※2016年に廃止された、Googleツールバーで確認できたページランクとは違うものです。

ページランクアルゴリズムは主に下記の3つの指標により、評価付けを行っています。

  • 被リンクの数
  • 被リンク元のページの品質(ページランク)
  • 被リンク元の被リンク数

高品質のページからの被リンクが多いページほど、Googleから信頼できるコンテンツとして、評価される仕組みとなっています。

また、キーワードを乱用したコンテンツや、被リンクを大量に集めた、いわゆるスパムサイトを用いて検索順位向上を図ろうとする行為があります。

これらのような低品質なコンテンツは、複数のスパムアルゴリズムを用いて、検索結果から削除するなどの対応をGoogleは行っています。

ユーザビリティ

ユーザビリティを評価する際の指標としては下記になります。

  • ページの表示速度
  • ブラウザの互換性
  • デバイスの互換性
  • ページのセキュリティ

これまで説明してきた項目と比べると、評価の比重は低い傾向になりますが、情報の関連性とコンテンツの品質が同等のコンテンツの場合、ユーザビリティの良し悪しで、評価に影響が出るのは間違いありません。

今でもGoogleは、ユーザビリティの指標に関する、ページエクスペリエンスアップデートを定期的に行っている状況です。

検索クエリの考慮

Googleの検索エンジンは、検索者の位置情報、過去の検索履歴などを考慮し、有用かつ関連性が高い情報を提供してくれます。

下記は日本とアメリカぞれぞれで、キーワード「野球」で検索した場合の比較です。

日本での検索結果
日本での検索結果
アメリカでの検索結果
アメリカでの検索結果

日本で「野球」というキーワードで検索した際は、日本プロ野球リーグや国内のスポーツメディアなどの情報が出てきますが、アメリカで検索した際は、メジャーリーグ関連の情報がトップに出てきます。

日本語の「野球」というキーワードで検索しているのにも関わらず、Googleは位置情報を優先した情報を提供する形を取っています。

Google検索品質評価者

これまで解説してきた複数のアルゴリズムや、機械学習システム(RankBrain)に加えて、Googleは実際の人間からのフィードバックを利用しています。

Googleは、実際の検索結果とページコンテンツの品質を人間の目で評価するために、約数千人の検索品質評価者を外部従業員として雇用していると言われています。

ここで注意しておきたいのが、検索品質評価者によるデータは、検索の順位付けに直接影響が出るわけではありません。

評価者がこの調査を行うと、各ページの品質評価を提供します。

この評価は、このページまたはサイトが検索でどのようにランク付けされるかに直接影響しないことに注意することが重要です。

特定のソースが「信頼できる」または「信頼できる」と判断している人は誰もいません。

特に、ページのランク付けを決定する方法として、ページには評価が割り当てられていません。

確かに、それは不可能な作業であり、私たちが使用するには不十分な信号です。

数千億のページが絶えず変化しているため、人間がすべてのページを繰り返し評価する方法はありません。

引用:レーティングは検索ランキングに直接使用されません – Google公式ブログ

なので検索品質評価者は検索順位に直接影響を与えることはありませんが、収集された評価データは、検索アルゴリズムの改善に使用されています。

また、検索品質評価者はGoogleが公式で配布している検索品質評価ガイドラインに基づいてページの評価を行います。

検索品質評価ガイドラインのスクリーンショット
検索品質評価ガイドラインの冒頭部分のスクリーンショット

英語記事にはなりますが、アルゴリズムアップデートに強いコンテンツを作成するには、非常に有益なガイドラインです。

また、ガイドライン内には「E-A-T」という、Googleが高品質なページ評価を示す要素が、概念的ではありますが記載されてます。

今後SEOで良い成果を出すためには、この「E-A-T」という概念が非常に重要だと言われていますので、是非一度読んでみてください。

検索アルゴリズムアップデートの歴史

Googleは2003年頃から現在に至るまで、度重なるアップデートを行ってきましたが、ここでは特に重要かつ代表的なアップデートを紹介していきます。

カフェインアップデート(2010年)

2010年6月に行われたカフェインアップデートは、多くのWebサイトやSEO業者に影響を与える大きな変更だったと言われています。

カフェインアップデートは、情報の最新性と提供速度が上位表示される指標の多くを占めていたため、そのように名付けられたようです。

ただし、更新内容に関してはアルゴリズムの変更というよりも、インデックスの仕組みが変更されたことであったため、必ずしもすべてのWebサイトにすぐに影響を与えることはありませんでした。

これにより、Googleがサイトをクロールしてインデックスに登録する方法が更新され、Googleは新しいページコンテンツを数秒で検出してランク付けできるようになりました。

Googleによると、「過去のインデックスよりも、検索結果で50%以上の新鮮な結果が得られるようになりました」と発言しています。

パンダアップデート(2011~2015年)

前年に行われたカフェインアップデートは、最新の情報をいち早くユーザーに提供するという観点ではプラスの効果がありましたが、その反面、その性質を悪用した低品質コンテンツの乱立が散見され、多方面から物議を醸す結果となりました。

この状況を打破するために、翌年Googleはパンダアップデートを実施します。

Google社員であるNavneetPanda氏の名前にちなんで名付けられたPandaアップデート。

数あるGoogleアルゴリズムのアップデートの中で、おそらく一番有名なアップデート名称ではないでしょうか?

パンダアップデートにより、下記のようなサイトがペナルティを受ける結果になりました。

  • 低品質な被リンクが大量に付いている
  • 重複コンテンツを掲載している
  • キーワードを乱用している
  • リダイレクトなどを悪用した、直帰率が高いサイト

パンダアップデートは2011年にリリース以降、定期的にアップデートの運用が行われています。

ペンギンアップデート(2012~2016年)

2012年Googleは、パンダアップデートの拡張版(スパムアルゴリズム)という位置づけで、ペンギンアップデートをリリースしました。

ペンギンアップデートは、スパムリンクに焦点を当てたアップデートで、ブラックハットSEOの手法を用いて被リンク構築することで、検索結果の順位を操作しようと試みたサイトにペナルティを科しました。

ブラックハットSEOによる被リンク構築とは、リンクやドメインに関連性があるか?高品質であるか?に関わらず、多数のサイトから被リンクを取得することです。

当時のSEOの状況としては、ブラックハット手法を用いた被リンク獲得が横行していたこともあり、ペンギンアップデートは低品質のリンクを持っていたサイトにペナルティを与えて、検索順位に悪影響を与えました。

モバイルフレンドリーアップデート(2015年)

2015年の春頃、Googleはモバイルフレンドリーアップデートを公開しました。

この時期はスマートフォンの普及とともに、モバイル検索の利用者が増加している背景から、モバイルフレンドリー対応の有無がサイト評価に影響されるよう、Googleはアップデートを実施しています。

このアップデートで、下記のようなサイトが影響を受けました。

  • Flashを使用している
  • 小さすぎるテキストサイズ
  • 近すぎるクリック可能な要素
  • 様々なデバイス(画面サイズ)の表示に対応していない

このアップデートを皮切りに、Googleはモバイル検索する際のユーザーエクスペリエンスを向上させることを開始しています。

ランクブレインアップデート(2015年)

ランクブレイン(RankBrain)とは、Googleがユーザーの検索意図を理解するために使用する、機械学習システムのことです。

2015年の後半に、このランクブレインにアップデートが適用されました。

このアップデートにより

  • ユーザーの検索履歴
  • 検索クエリの関連用語
  • 文章の文脈や前後関係の把握

上記データを用いることにより、検索したユーザーに対して、より関連性の高い情報が提供されるよう改善されました。

逆に言えば、関連用語を使用していない、もしくは文章の文脈や前後関係を考慮していない情報、このようなコンテンツページが検索順位低下などの影響を受けました。 

日本語検索アップデート(2017年)

2017年に実施された日本語検索アップデートとは、その名の通り、日本語検索のみに焦点を当てたアップデートになります。

日本国内限定でアップデートされた理由としては、2016年に発覚した、キュレーションメディア(情報まとめサイト)のコピーコンテンツ上位表示問題がきっかけとなります。

当時このキュレーションメディア内で投稿されてるコピーコンテンツが、多くの検索結果において上位表示を独占している状態になっており、一般の検索利用者から話題となりました。

このアップデートを機に、コンテンツの専門性・信頼性・独自性が、より一層求められるようになりました。

健康アップデート(2017~2020)

健康アップデートは、医療や健康に関連する専門的な知見が必要な情報について、医療従事者や医療機関などから提供された、信頼度の高い情報が優先的に評価されるよう、改善されたアップデートになります。

当時日本では、医療や健康ジャンルの検索キーワードにおいて、信憑性が低く根拠がない低品質なコンテンツが上位表示されており、2017年12月に異例の日本先行でのアップデートが適用されました。

その後、2018年8月1日に米国やその他の国でも健康アップデートが適用された経緯があります。

また、この健康アップデートには医療や健康領域だけでなく、お金や生活に関するコンテンツに対しても同様に適用されました。

これらを総称して、YMYL(Your Money or Your Life)領域と認識され、医療・健康・お金・生活に関わるジャンルのコンテンツは、信憑性が高く、専門的な知識を要したサイトやメディアのみが上位表示されるようになりました。

このYMYL領域に関しては、広告やアフィリエイトの単価が非常に高く、当時は収益性だけに特化したサイトが散見されましたが、このアップデートを機に、それらのサイトは検索順位低下の影響を受けることになりました。

スピードアップデート(2018年)

2018年7月に実施されたスピードアップデートは、「モバイルページの表示速度」に焦点を当てたアップデートになります。

今までの流れから分かる通り、モバイル検索の需要が高まった背景から、Googleはモバイルサイトの表示速度を検索順位を決める指標として取り入れました。

このアップデートの影響により、サイトの運営者やSEO業者は、サイトの表示速度という指標に対して、今まで以上に力を注ぐようになりました。

ページエクスペリエンスアップデート(2020~2021年)

Googleは2021年6月に、ユーザビリティに焦点を当てたアップデートを展開しました。

このアップデートで、ユーザビリティ関する新たな指標として「Core Web Vitals」が導入されました。

Core Web Vitals(コアウェブバイタル)は、下記の3つの指標のことを指します。

LCP

ページが読み込まれるまでの時間

FID

最初のユーザー行動において、ブラウザが反応した時間

CLD

視覚的な安定性(レイアウトの崩れ)が保たれているか

ページのパフォーマンスが低いと、ユーザーに対して下記のような悪影響を及ぼすとGoogleは公言しています。

ページのパフォーマンスが重要な理由

・ページの読み込みに時間がかかると、直帰率に深刻な影響を及ぼします。具体的には:
 ・ページの読み込み時間が 1 秒から 3 秒に増加すると、直帰率は 32% 増加します。
 ・ページの読み込み時間が 1 秒から 6 秒に増加すると、直帰率は 106% 増加する。
ケーススタディをご覧ください。

引用:ウェブに関する主な指標レポート – Search Console ヘルプ

アルゴリズムアップデートに備えておくべきこと

Googleが今後も定期的に検索アルゴリズムのアップデートを行っていくのは確実といえます。

自身のサイトやメディアがアルゴリズムアップデートにより、悪影響が出ないよう、備えておくことが大切です。

ここからは、普段の運営の中で気を付けておくべきポイントを紹介していきます。

Google公式からの事前情報を把握する

Googleは事前にサイト運営者やSEO業者に向けて、「〇〇月〇〇日にアルゴリズムのアップデートを行います」と告知をしてくれることがあります。※数時間前または数か月前に告知するパターンが多い

中には急にアップデートが実施されたり、アップデートが実施されたことも発表しない場合(ファントムアップデートと呼ばれている)がありますが、事前に告知してくれる場合の情報は確実に捉えておくと安心です。

上記3つのうち、それぞれチェックしやすい媒体から、常に最新情報を把握しておくのがおすすめです。

公式サイトが提供した情報を確認しておくと、Googleが具体的にどのようなコンテンツを評価し、どのようなページを上位表示させるかの考え方や指標を把握することもできるので、SEOで良い結果を得たい場合は必ずチェックしておきましょう。

日々の検索順位やアクセス数を把握しておく

前述で説明したとおり、Googleはアルゴリズムのアップデートを事前に告知をせず、ゲリラ的に行う場合があります。

自身のサイトやメディアが、アップデートの影響を受けたかどうかを把握できるように、常日頃サイトの数値指標を確認しておく必要があります。

基本的なGoogle AnalyticsやGoogle Search Console、検索順位チェックツールなどを導入し、数値指標に動きがないか確認できる体制を構築しておきましょう。

日頃のチェックを怠ると、アップデートの影響なのか?日々の変化によるものなのか?といった判断に間違いが生じてしまい、的はずれな対策を行ってしまうパターンがあるので注意が必要です。

アップデート後に様子を見る

Googleからのアップデートが展開され、自身のサイトやメディアの検索順位に悪い影響が出た場合でも、すぐにコンテンツの内容を修正したり、アップデートに対応するような行動は控えましょう。

検索アルゴリズムのアップデートが行われたあと、検索順位が安定するまで一定の期間が必要だと言われています。

影響の原因がアップデート後の不安定な時期のためか、実際にアップデートによりペナルティを受ける形になったのか、間違った判断をしないよう、アップデート後の最低1週間ぐらいは様子を見るのをおすすめします。

様子を見ている間は、自身のサイトやメディアだけでなく、競合他社の状況なども確認し、適切な対応を行いましょう。

まとめ

今回の記事では

  • Googleの検索アルゴリズムについての基礎的な解説
  • 過去の重要なアップデートの履歴
  • アルゴリズムアップデートに備えておくべきこと

上記について解説してきました。

Googleは今後も、検索ユーザーに高品質なコンテンツを提供するという主軸は変わらないと思いますので、あくまでユーザーファーストを念頭に、各SEO施策を自サイトの状況に応じて実施していきましょう。

最後にこの記事が参考になった、あるいはご質問などがある方は、ぜひコメント欄でお聞かせください。

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