SEO対策キーワードの調査・選定方法を解説|おすすめツールも紹介

この記事で分かること
- SEOのキーワード選定・調査の概要
- キーワード選定・調査がSEOにおいて重要な理由
- 実際のキーワード選定・調査時に使える便利なツール
SEOにおける対策キーワードの調査・選定は、SEOの重要な側面の1つです。
適切なキーワードを取得し、効果的に使用することで、検索エンジンの結果ページ(SERPs)に良い結果を与えることができます。
この記事では、対策キーワードの選定方法を説明するとともに、キーワード調査を支援するために使用できる便利なツールを紹介します。

キーワード調査・選定とは?

キーワード調査・選定とは、ユーザーが検索エンジンを介してあなたのサイト・製品・サービスを見つけるきっかけを作ることとなるキーワードやフレーズの調査を行い、実際に対策を行うキーワードの選定をする作業のことです。
「SEO対策をしたが良い成果が出ない…」
このような状況を生む原因は複数ありますが、多くのケースでこのキーワードの選定段階で間違いを起こしていることが多いです。
SEO対策の成功は、宣伝する製品やサービスに最も関連性が高く、潜在層から顕在層の顧客がよく検索するキーワードを適切に調査・選定ができるかどうかにかかっています。
キーワードの選定には、関連性をはじめ、検索ボリューム、競合サイトの状況など、考慮すべき要素が数多くあり、SEO対策の経験があまりない方にとっては難しいプロセスです。
時間をかけて適切なキーワードを選択することで、SEO対策を成功させる可能性が格段に上がります。
キーワードの調査・選定が重要な理由

インターネット上で情報収集を行う際、多くの人々はキーワードを使用して解決策を探します。
ここでは、キーワードの事前調査が必要な理由を解説していきます。
マーケティングトレンドの把握
キーワードの調査・選定は、現在どのようなキーワードがトレンドになっているかを理解することに繋がり、製品やサービスに最も興味を持ちそうな人たちに、自身のサイトやコンテンツを確実に届けることができるようになります。
例えば、テニスシューズを販売しているサイトの場合、テニスシューズに関連する検索で最も頻繁に使用されているキーワードを把握することができます。
上位表示の難易度
自身のサイトやコンテンツを検索結果に上位表示させるには、キーワードの上位表示難易度が重要になります。
多くの人が、自身の業界に関連する最も人気のあるキーワードを狙えばいいと勘違いをしてしまいがちです。
しかし、SEO対策に多額の予算を投じる大手企業でない限り、これらのキーワードで上位表示される可能性は低いでしょう。
それよりも、より具体的で競合の少ないロングテール・キーワードに注力する方が良い成果を得られます。
例えば、「自動車保険」という大きなトピックではなく、「若いドライバー向けの安い自動車保険」というトピックをターゲットにするほうが有効的です。
顧客の獲得
キーワードの調査と選定は、顧客獲得の確度を高めるためにも必要な要素です。
理由としては、ターゲットとなるユーザーの検索意図を理解することができるという点です。
キーワードを選定する際に検索ユーザー達が、あなたの製品やサービスを探すときに何を求めているか?を把握することが重要になります。
単に情報を探しているだけなのか?それとも商品やサービスを購入する段階なのか?
このような検索しているユーザーの心理状態を理解することで、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作成することができ、自身の商品やサービスを購入する可能性をより高くすることができます。
検索ボリュームの把握
検索ボリュームとは、あるキーワードがどれくらいの頻度で検索されているかを示す指標です。
※一般的には1ヶ月単位(月間検索ボリューム)で語られることが多いです
検索ボリュームが多ければ多いほど、そのキーワードで上位表示された際に発生する、潜在的なトラフィックが多くなります。
ただし、検索ボリュームはキーワードを選択する際の1つの要素に過ぎず、競合サイトの状況やコンバージョン率なども考慮する必要があります。
しかし、トラフィックや利益率の可能性を最大化したいのであれば、検索ボリュームを優先する必要があります。
様々な種類のキーワード

適切なキーワードを選定する際は、SEOにおける様々なタイプのキーワードを理解する必要性があります。
ここでは、各キーワードの種類を解説していきます。
検索語句の長さで定義されるキーワード
- ショートテールキーワード
- ロングテールキーワード
ショートテールキーワード
ショートテールキーワードとは、トピックを説明する最も一般的なキーワードのことで、ヘッドキーワードとも呼ばれます。
例えば、「SEO対策のポイント」について記事を書く場合、ショートテールキーワードは 「SEO対策 」とすることができます。
ショートテールキーワードは通常1~2語で構成され、検索ボリュームが多いのが特徴です。
しかし、競争率が高いため、上位表示させるのが難しいケースが大半になります。
ショートテールキーワードは、後述で説明するロングテールキーワードなどの検索順位を上げていくことで、コンテンツ全体の良い評価に繋がり、ショートテールキーワードでの検索上位を達成することができます。
ロングテールキーワード
ロングテールキーワードとは、一般的なキーワードよりも長く、より具体的な検索キーワードのことです。
具体的には下記のようなキーワードになります。
- 「男性用 ランニングシューズ」
- 「料理レシピ本 2022年ベストセラー」
- 「東京 無料見積 リフォーム」
ロングテールキーワードは、2~3つの語句で構成され、検索ボリュームは少ないものの、コンバージョン率が高いのが特徴です。
サイト開設初期はまず、このロングテールキーワードの検索順位を上げていくことが優先事項になります。
検索意図で定義されるキーワード
- 情報系キーワード(インフォメーショナルキーワード)
- 案内系キーワード(ナビゲーションキーワード)
- 取引系キーワード(トランザクションキーワード)
情報系キーワード(インフォメーショナルキーワード)
情報系キーワードとは、ユーザーが製品やサービスの購入する意図ではなく、あるトピックに関する情報や疑問に対する答えを求めている際に使用されるキーワードのことです。
情報系キーワードの例
- 「3大栄養素とは?」
- 「アフィリエイトブログの始め方」
- 「蛇口の修理方法」
上記のようなキーワードが対象になります。
情報系キーワードは、一般的にユーザーが購入段階ではなく、情報収集段階で使われる検索キーワードなので、製品やサービスの購入などのコンバージョンに繋がることはあまりありません。
案内系キーワード(ナビゲーションキーワード)
案内系キーワードとは、特定のサイト・製品・サービスなどを探している人が使用する可能性が高いキーワードのことです。
案内系キーワードの例
- 「Amazon 財布」
- 「ネスカフェ コーヒーメーカー」
案内系のキーワードは、ユーザーが購入の検討段階で使用する可能性が高いキーワードになります。
取引系キーワード(トランザクションキーワード)
取引系キーワードとは、ユーザーが商品の購入やサービスへの申し込みなど、何らかのアクションを起こそうとしていることを示すキーワードのことです。
取引系キーワードの例
- 「ホームページ 作成費用」
- 「〇〇区 美容院」
- 「〇〇 口コミ」
上記のような「値段・レビュー・購入・比較・特定の地域」などのキーワードが含まれているケースが多いです。
取引系キーワードは、検索意図によって案内系キーワードとの明確な区別が難しい場合がありますが、取引系のキーワードに対してサイトやコンテンツを上手く最適化すると、コンバージョンに繋がる確立を高めることができます。
キーワードの調査・選定方法
ここからは、実際にキーワードの調査と選定する方法を紹介していきます。
手順1:軸となるキーワードを決める
まず、ターゲットとするユーザーがどのような情報を求めているのかを考えてみましょう。
あなたの商品やサービスを探す際に、ユーザーはどのような言葉を使いそうなのか考えてみることが大切です。
その後、候補となったすべてのキーワードを含んだリストを作成します。
この初期段階では、誰も検索していないようなニッチなキーワードは避けるようにし、なるべく一般的でわかりやすいキーワードをピックアップしておくことが良いでしょう。
手順2:軸キーワードを広げていく
次に、手順1でピックアップしたキーワードを広げる作業に入りましょう。
キーワードを広げていく際は、なるべく網羅的に行う必要がありますので、一見関係がないようなキーワードも候補に加えて、質より量を重視する考えで進めていくことが重要です。
キーワードを広げていく際は下記のキーワードタイプを理解すると効果的です。
- 関連キーワード
- サジェストキーワード
- 再検索キーワード
- ユーザーの声
関連キーワード
関連キーワードとは、メインとなるキーワードやフレーズに密接に関連するキーワードのことです。
関連キーワードは、検索の範囲を広げたり、ユーザーのターゲットの幅を適切に広げるために使用されます。
例えば、ユーザーが「住宅販売」を検索している場合、関連キーワードには「不動産」「中古住宅」などが考えられます。
サジェストキーワード
サジェストキーワードとは、Googleの検索バーに入力された文字に基づいて、検索候補を提供するオートコンプリートと言われる機能で表示されるキーワードのことです。
例えば、「引越し業者」と入力し始めると、オートコンプリートは「引越し業者 安い」「引越し業者 見積もり」といった検索候補を提案します。

オートコンプリートは、個人的な検索履歴と、すべてのGoogleユーザーの集合的な検索行動に基づいて候補となるキーワード提供しています。
再検索キーワード
再検索キーワードとは、Googleの検索結果で表示されたページを一度クリックし、ブラウザバックを行うと表示される「他の人はこちらも検索」欄に表示されるキーワードのことです。

再検索キーワードは、検索にて表示されたページを見たが、ユーザーのニーズを満たすことができなかった場合に、再検索候補としてGoogleから提供されるキーワードです。
再検索キーワードを上手く活用することにより、自身のコンテンツに不足している関連キーワードの発見、ユーザーの検索意図を満たす情報を得ることが可能です。
ユーザーの声
実際のユーザーの声は、自身が提供している商品やサービスに関連する疑問やリアルな課題、類似するサービスの良い口コミ、悪い口コミなど、参考にすべき情報が多くあります。
それらの情報の中で頻繁に使用される単語を抽出し、キーワードとして取り入れるのがおすすめです。
ユーザーの声を確認する方法としては、TwitterやInstagramなどのSNSが代表的でしょう。
その他の手段でいうと、Yahoo!知恵袋や教えて!gooなどのQ&Aサービスもユーザーのリアルな悩みや疑問を確認できるので参考になります。
手順3:類似するキーワードをグルーピングする
ここでは手順2までに抽出した大量のキーワードをグルーピングする作業に入ります。
まずグルーピングする際の基本的な基準としては、検索意図を優先に実施するのが最適です。
キーワードには、一見違うキーワードに見えても、ユーザーの検索意図が重なっている場合があります。
検索意図を把握せず、キーワードをグルーピングすると検索エンジンからの評価分散や、内容が重複した無駄な記事を作成することに繋がります。
検索意図を確認するには、地味ですがキーワード一つ一つ実際に検索をかけて、どのようなページが上位表示されているか確認する作業です。
例えば下記のようなキーワードがあるとします。
- 「縮毛矯正後 シャンプー」
- 「縮毛矯正 シャンプー おすすめ」
- 「縮毛矯正 シャンプー 落ちる」
これらのキーワードは一見それぞれ違うキーワードのように見えるかもしれませんが、ユーザーの検索意図に対してすべて関連しており、1つの記事としてまとめることが可能です。
例えば、上記のキーワードで実際の記事を作成する場合、「縮毛矯正後におすすめなシャンプーを紹介」というタイトルを設定し、記事内に「シャンプーをすると縮毛矯正した髪への影響は?」というユーザーの疑問を解消、その後に「縮毛矯正後におすすめのシャンプー」の商品情報を掲載するという構成で記事の作成をすることができます。
最後にこの段階で、自身のサービスや商品にまったく関連がなさそうなキーワードがある場合、しっかり関連性がないことを確認した後に、リストから除外しておきましょう。
手順4:グルーピングしたキーワードの検索ボリュームや競合サイトをチェックする
まず始めに、グルーピング内のキーワードそれぞれの月間検索ボリュームを把握し、グループ毎の総検索ボリュームを算出します。
特に理由がない限り、まずは総検索ボリュームが高いグループを優先度高めに設定し、自身のサイトへトラフィックを発生させることを念頭に置きましょう。
総検索ボリュームが100以下などの、低すぎるグループは優先度が低くなります。
次にグループ内の、最も高い検索ボリュームを持つキーワードで、実際の検索結果で上位表示されている競合サイトを確認します。
競合サイトを確認する際は下記の内容を参考にすると良いです。
- ドメインパワー
- ドメインの運用歴
- コンテンツの内容、量
ドメインパワーが高く、ドメインの運用歴も長く、コンテンツの質がしっかりしているサイトと真っ向から勝負するのは避けたほうが良いので、対策優先度は低くなると思われます。
※SEO対策に掛ける費用により、ここの判断は変化します

また、昨今GoogleはE-A-T(専門性・権威性・信頼性)が高いサイトやコンテンツを優遇する傾向があります。
様々な箇所から被リンクや言及を得ているサイトや、業界でも権威がある著者が監修、作成しているコンテンツを掲載しているサイトと競う場合は、非常に難易度が高いです。
自身のサイトのE-A-Tを高めることはもちろん必要になりますが、E-A-Tを高めるにはある程度の期間が必要ですので、まずはE-A-Tが高そうなサイトばかりが上位表示されているキーワードよりも、比較的戦えそうなキーワードを優先度高く設定しておきます。

手順5:実際の記事の作成
ここまで説明した、キーワードの分析や選定、取り組み優先度の設定を行えれば、ここからは実際の記事(コンテンツ)の作成に入ります。
- タイトルにターゲットとするキーワードを入れる
- 見出しや記事の内容に再検索キーワードやグルーピングしたキーワードの情報を加える
上記を意識して記事を作成すれば、検索エンジンに適切に認識され、ユーザーの検索意図を満たす記事を作成することが可能になります。
コンテンツSEOに関して詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

キーワードの調査・選定時に使える便利なツールを紹介
ここまでで分かるとおり、キーワードの調査・選定作業は非常に大変な作業です。
ここからは、キーワードの調査や選定時に役立つキーワードツールをそれぞれキーワードの種類別でご紹介します。
Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは、Webマーケティング担当者がGoogle広告キャンペーンを調査・計画するために使用するキーワードツールです。
Googleキーワードプランナーは、Googleが提供するツールで、Google広告アカウントを作成すれば誰でも無料で利用することが可能です。
キーワードプランナーで自身のサービスや商品に関するキーワードを入力することで、同義となるキーワードや関連するキーワードを一括で抽出し、更にキーワードごとの検索ボリュームも表示してくれます。
キーワード抽出の初期段階で使われることが多いツールとなります。
Google Trends

Google Trendsは、特定のキーワードがインターネット上で検索される頻度を見ることができる無料のオンラインツールです。
この情報は、SEO対策でターゲットとするキーワードを決定する際に、非常に役立ちます。
Google Trendsは、キーワードの人気度を示すだけでなく、その人気が時間の経過とともにどのように変化しているのか、関連キーワードや地域別の関心度などに関する情報も提供しています。
このツールは、サイトのターゲット候補となっているキーワードの潜在的な価値を、データを用いて判断する際によく使用されます。
ラッコキーワード

ラッコキーワードは、指定したキーワードのサジェストワードを抽出してくれるツールになります。
会員登録なしだと抽出回数に制限がありますが、会員登録すれば利用制限もなく自由に使用できます。
また、サジェストキーワードの抽出以外も、Q&Aを見るという機能で、Yahoo!知恵袋や教えて!gooで掲載されている、指定したキーワードに関連する質問と回答を見ることもできます。
さらにおすすめな便利な機能として、見出し抽出という機能があります。
これを使用すると、指定したキーワードで上位表示されているページのタイトルや見出しの構成を一覧化して抽出してくれます。
競合サイトの記事内容を調査する際に便利な機能となります。
Semrush

Semrushは、SEOだけでなく広告やSNSなどといった幅広い領域でのサポート機能が充実した、Webマーケティングを総合的に支援してくれるツールです。
Semrushのキーワードツールには、最大100個の任意のターゲットキーワードを入力でき、入力したキーワードに対して下記の情報を自動で提供してくれます。
- 1か月間のキーワードの検索ボリューム
- キーワードに対する上位表示の難易度
- 関連するキーワードの提案
- ユーザーの関連Q&A
- その他キーワードのバリエーションの提案
ターゲットとなるキーワードを入力するだけで、多くの情報を提供してくれる強力なツールとなっており、キーワードのバリエーションを増やすのに便利なツールです。
Semrushの利用には有料登録が必要になりますが、7日間の無料トライアルが提供されていますので、一度試しで利用してみることをおすすめします。
海外発のツールですが、一部機能を除き日本語にも対応しています。
再検索キーワード調査ツール

再検索キーワード調査ツールは、日本のSEOコンサルタントである柏崎剛さんが提供しているツールになります。
その名の通り、入力したキーワードに対する再検索キーワードを自動で抽出してくれるツールです。
利用するにはパスワードの入力が必要で、柏崎剛さんのTwitterアカウントでパスワードを定期的に更新&ツイートしています。
柏崎剛さんはTwitter上で、SEOに関する有益な情報を多く発信してくれていますので、気になる方は是非フォローしてみてください。
まとめ
SEOにおけるキーワードの調査と選定は複雑なプロセスですが、適切なツールを使用することで、効率的に行うことができます。
SEO対策が成功するかどうかの要因として、まずはこのキーワードの調査・選定作業が非常に重要になりますので、今回紹介した内容を是非参考にしてみてください。
最後にこの記事が参考になった、あるいはご質問などがある方は、ぜひコメント欄でお聞かせください。
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