ECサイトで売上を伸ばすための基本的なSEO対策について

この記事で分かること

  • ECサイトにおけるSEO対策について
  • ECサイト特有の注意ポイント
  • ECサイトでSEOを行うメリット
  • ECサイトの具体的なSEO戦略

検索エンジン向けにECサイトを最適化する際、さまざまな独自の問題に直面する可能性があります。

多くの商品ページで上位表示を狙うことから、重複コンテンツ、リンク切れ、ユーザー体験の悪化の可能性まで、多岐にわたります。

これらのことを考慮すると、基本的な「SEOのやり方」だけでは十分ではありません。

ECサイトの分野に特化し、独自の問題を考慮したSEO対策が必要なります。

また、ユーザーが商品を探す方法は、他の種類のコンテンツを探す方法と大きく異なることがよくあります。

この記事では、ECサイトのSEOについて詳しく説明し、ECサイトの検索順位を向上させるための効果的な戦略を解説していきます。

目次

ECサイトにおけるSEOについて

ECサイトにおけるSEO(別名eコマースSEOとも呼ばれる)は、オンラインストアが検索結果で上位に表示されるよう、内部対策外部対策コンテンツ対策といった各種最適化戦略を組み合わせることが必要になります。

ECサイトのSEOに関する考慮事項

ECサイトのSEO対策は、オンラインで商品を販売するサイトを上位に配置するための複雑さが加わるため、他の種類のサイトよりも難易度が高いと言われています。

ブログやオウンドメディアなどのサービス型のサイトは一般的に、重複の危険性がない独自性の高いコンテンツを持つことができるというメリットがあります。

一方、ECサイトは、類似したコンテンツで構成されていることが多い多数の商品ページを最適化する必要があり、その膨大なページ数に対してこれらを実施する必要があります。

ここからはECサイトでのSEOを実施するにあたり、考慮すべき点を解説していきます。

ECサイトはリンク切れを発生しやすい

商品の在庫がなくなったり、季節外れになったりした場合、ECサイトからそのページを削除するのが一般的です。

しかし、これはリンク切れや「404」ページの原因となり、結果的にユーザー体験を悪化させるとともに、Googleボットを存在しないリンクに誘導するという、コンテンツ管理をより複雑なものにしてしまう可能性があるのです。

低品質なコンテンツ(ページ)と判断されることが多い

多くのECサイトは、商品ページに画像、商品説明、価格、場合によっては入手方法などを掲載しています。

これを数十ページ以上にわたって行うと、コンテンツが劣ってしまうという問題が発生する可能性が高いです。

Googleがある商品ページと別の商品ページを区別するのに十分な内容がないというケースに陥ることがよくあります。

Googleがパンダアルゴリズムを更新して以降、Googleはコンテンツの質をより重視するようになりました。

そのため、ECサイトでは、コンテンツの質と他のページとの差別化を意識することが不可欠になっています。

ECサイトはメタデータの重複が発生しやすい

多くのECサイトでは、自動化や新規ページ作成のテンプレート化により、複製されたメタデータ(ページタイトルやメタディスクリプションなど)が採用されています。

これは、様々な商品ページで同一のタイトルや説明文が使用されているため、ユーザーや検索エンジンを混乱させる可能性があるという問題があります。

ECサイトでSEO対策を行う場合、各ページに独自のタイトルと説明文を付ける必要があります。

ECプラットフォームによっては、「製品名 – 種類 – ブランド」のようなテンプレートを提供してくれるものもありますが、手動で入力が必要な場合もあります。

独自のタイトルとメタディスクリプションを付けることは非常に手間がかかる面倒な作業ですが、他サイトと差を付けるために努力する価値は十分にあると考えられます。

複雑な階層構造によるユーザー体験の悪化

複雑な階層構造は、一般的なサイトでもよくある問題ですが、多数のURLを持つECサイトでは特に直面しやすい問題です。

例えば、商品の点数やカテゴリーが多数ある場合や複数の言語で展開しているサイトの場合、すぐに管理しきれなくなる可能性があります。

ECサイトを含む一般的なWebサイトでは、ユーザーが探している情報を見つけやすくするために、論理的でわかりやすいページ構成にすることが重要です。

さらに、関連するページへの内部リンクを含めることで、検索エンジンがコンテンツをより効率的に発見できるようになります。

ECサイトの成長にはSEOが不可欠

SEO対策は、ECサイトに顧客を有機的に呼び込むための効果的な方法です。

多くの人がGoogleなどの検索エンジンを使って商品を探しているため、ターゲットとなる顧客が検索した際に、検索結果の上位に表示されることが重要です。そこで、ECサイトのためのSEOが不可欠となるのです。

Similarwebの調査によると、検索エンジンは、ECサイトへの訪問者をソーシャルメディアの10倍以上提供することが実証されています。

グローバル検索マーケティングレポート - Similarweb
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SEO対策で良い成果を出せれば、長期間にわたってユーザーをECサイトに呼び込むことが可能になります。

ECサイトにおけるSEOを行うメリット

ECサイトにSEO対策を用いることには、数多くの利点があります。

検索エンジンからのオーガニックトラフィックを生み出すだけでなく、以下のようなメリットがあります。

  • Web上でのブランド認知度・視認性の向上
  • サイトのユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)の向上
  • マーケティングファネルのさまざまな段階におけるトラフィックの獲得
  • コンバージョン率最適化(CRO)によるコンバージョンの促進
  • リマーケティングのためのオーディエンスの獲得(Facebook広告など)
  • 長期的なトラフィックの生成
  • 顧客や企業との信頼関係の構築
  • サイトの権威性を高める被リンクの獲得

ECサイトでの効果的なSEO戦略

ここまではECサイトにおけるSEOを行うべき理由やメリット、概要などを説明しました。

ここからは、Googleでより良い検索順位を獲得し、ECサイトからの売上を高めるための効果的なSEO戦略を紹介していきます。

1.ECサイトに関するキーワードの調査

SEOを成功させるための基礎となるのは、キーワードの調査です。

ターゲットとなるユーザー層が、あなたの会社と似たようなサービスや商品を見つけるために頻繁に使われている検索フレーズを発見するために、キーワード調査を行う必要があります。

自身のビジネスに当てはまるキーワードを発見したい場合は、GoogleキーワードプランナーAhrefsSemrushなどのツールを使うと調査が容易になります。

キーワードの調査結果を分析する際には、次の3つの点を考慮しましょう。

  • 検索ボリューム:キーワードの検索回数が毎月どのくらいあるのかを把握することで、上位表示された際のトラフィック量をある程度算出することができます。
  • キーワードの難易度:特定のキーワードで上位表示することがどの程度難しいかは、現在そのキーワードで上位表示されている競合サイトのドメインパワーを見ることで判断できます。
  • キーワードの関連性:キーワードが自身のビジネスと関連性があることを確認します。ユーザーの意図する検索クエリは、思っているよりも幅が広いことに注意する必要があります。

手始めに、今あるすべてのサイトページ、カテゴリーページ、製品ページを評価し、どのような検索キーワード(検索クエリ)が最も正確に適合するかを考える必要があります。

その後、キーワード調査ツールを使って、そのキーワードの検索ボリュームとキーワード難易度を確認し、自身のビジネスに役立つかどうかを判断します。

Microsoft ExcelやGoogle スプレッドシートは、自身のサイトのすべてのURLをまとめて、各ページにキーワードを割り当てるなど、キーワードの調査結果を整理する上で役立つツールとなります。

また、時間が経てば、Google サーチコンソールのような分析ツールを利用して、検索結果の内容を確認し、これらの情報をキーワード戦略に取り入れることが可能になります。

2.ユーザーフレンドリーなサイト設計

ユーザーフレンドリーなECサイトを作ることは、どんな事業にとっても必要不可欠な要素です。

そのためには、わかりやすいナビゲーション、わかりやすい内部リンクやアイコン、そしてユーザーがすぐに製品を見つけ、快適に購入できるようなページが必要です。

ECサイトを強化するためには、経験が十分にある開発者と協力するのが得策です。

開発者は、ユーザーの操作性、ページレイアウト、コンテンツ構成、サイトの表示スピードなどを評価し、すべてのユーザーにとって快適なECサイトを設計、再現することができるからです。

3.内部対策(キーワードの最適化)を行う

キーワードを設定した後は、設定したキーワードに対応したページを作成します。

同じキーワードで複数のページを作らないようにするため、各ページに検索意図に合致した固有なキーワードを選ぶことが大切です。

例えば、男性用のパーカーを販売する商品ページがあった場合を考えてみましょう。

キーワードを調査したところ、「メンズ パーカー」と「男性 パーカー」「レディース パーカー」というフレーズを発見したと仮定します。

「レディース パーカー」というフレーズには、関連性こそはあるものの、ターゲットとしている検索意図(男性用のパーカー)とは外れるので、同じページ内で使用することはやめておきましょう。

ページに対するキーワードの最適化を行う際は、下記の項目に沿って設定を行うことを推奨します。

  • タイトルタグにターゲットキーワードを含める(例:「商品名 – メンズ パーカー|ブランド名」)。
  • ページの<body>タグ内にターゲットキーワードを含める。
  • 高品質の商品写真と最適化された画像のaltテキストを設定する。
  • ページ内にH1見出しと説明的なH2見出しを含める。
  • 関連するページや製品に内部リンクを貼る。
  • 製品についてしっかりと説明文を記載し、顧客にアピールする魅力的なコンテンツを作成する。

検索エンジンの可視性を高めるためにサイトページを最適化する場合、内部SEOの基本事項を順守することが大事になってきます。

これは、ECサイトでは特に重要で、すべてのページがSEOに適合しているかどうかで、大きな違いが生まれます。ただし、コンテンツにキーワードを過剰に詰め込むことのないよう注意してください。

4.ユーザー価値のある説明的なコンテンツを作成する

SEOの観点では、コンテンツが重要な位置を占めるとよく言われます。

これは、ECサイトも同様で最適化だけでなく、訪問者を顧客化するために、コンテンツの内容は非常に重要です。

コンテンツは、他社との差別化を図り、企業の個性を伝え、訪問者に何かをする気にさせ、Google検索での視認性を高める絶好のチャンスとなります。

優れたコンテンツを作成するためには、以下のようなコピーライティングのテクニックを取り入れると良いでしょう。

5.他の流入経路(チャネル)を確保する

自社へのトラフィックを増やすための手段は、ECサイトだけではありません。

検索ベースのサービスであるYouTube、Amazon、Pinterestなども、顧客があなたの提供するサービスや商品を見つけてもらうための効果的な媒体となります。

これらのサービスは、どのようなコンテンツを検索結果の上位に表示させるかを独自のアルゴリズムで決定しています。

YouTubeの場合は、動画のタイトル、説明、プロフィールにキーワードを最適化するという形をとります。Amazonの場合、カスタマーレビュー、商品の説明文のキーワード最適化、Pinterestの場合は、エンゲージメントとキーワードの最適化をすることで、人々が自社のコンテンツにアクセスしやすくなります。

また、このような他の媒体からECサイトへ誘導することにより参照トラフィックを獲得し、間接的にSEO評価の向上にもつなげることができます。

6.サイト表示速度向上とモバイル表示への対応

オンラインショッピングを利用する人々は、必要な情報を素早く入手することを期待しています。

そのため、ECサイトでは、モバイル端末で効率的に動作するように設計する必要があり、ページの読み込み速度も快適な必要があります。

これにより、ユーザーはより手軽にECサイトを閲覧することができ、アクセスに関する潜在的な問題を防ぐことができます。

Google は、サイトの所有者が表示速度、視覚的信頼性、モバイル互換性、および表示の問題を認識し、対処するのを支援するために、Core Web Vitals レポートを導入しました。

このレポートを活用することで、ECサイトの読み込みが速く、あらゆるデバイスに適切に設定されていることを確認することができます。

サイトを徹底的に監査することで、パフォーマンスを阻害している可能性のある問題をさらに発見することができます。

例えば、画像ファイルのサイズが大きすぎると、ECサイトの動作が遅くなり、SEOに悪影響を及ぼす可能性があります。

商品のページであれ、カテゴリーのページであれ、ブログの記事であれ、SEO効果を促進するためには、コンテンツが素早く読み込まれることが不可欠です。

サイトの表示速度とモバイル対応の状態を確認する際は、Googleが無料で提供している下記のツールを利用すると良いでしょう。

7.権威性のある被リンクの獲得

他のサイトから自身のECサイトへの被リンクを獲得することは、あなたのECサイトが優れた商品、データ、品質を持っていることを第三者からお墨付きをもらうのと同義です。

被リンクを獲得することで、ドメインの権威性を高め、被リンクからの参照トラフィックを獲得することもできます。

例えば、優れたブログ記事を作成することで、他のサイトから自身のECサイトに被リンクが貼られるようになります。

また、他のブロガーに働きかけ、その記事で自社の製品を取り上げてもらったり、ゲスト投稿を提案したりすることも可能です。

8.サイトのセキュリティ対策(SSL化)

SSLは、すべてのECサイトで必要とされるサイトのセキュリティ対策の一種です。

もし、あなたがサイトにアクセスした際に「安全ではありません」という通知が表示された場合、そのサイトにはSSL証明書がない可能性があります。

多くのレンタルサーバーサービスには、SSL機能が含まれています。現在利用しているレンタルサーバーやサイトの管理者と協力して、SSLが有効になっていることを確認しましょう。

オンライン上で金銭のやり取りが発生するECサイトでは、特に対応しておきたいセキュリティ項目になります。

SSL化されていないサイトはユーザーに不信感を与え、離脱率の向上につながってしまいます。

9.コンテンツSEOを展開する

SEOのためにコンテンツを最適化するために、ブログやコラム記事など、長文型のコンテンツを作成することは、ECサイトへのオーガニックトラフィックを増やすための基本的な方法になります。

キーワードを調査する際には、より有益なコンテンツを作成するために使用できる検索キーワードを採用することが重要です。

例えば、「レディース ファッション トレンド」や「ビジネス ファッション メンズ」などは、優れたコンテンツのベースとして役立つと思われます。

コンテンツが正しく最適化されていれば、ソーシャルメディアやメルマガなどの方法で、さらにリーチを広げることができます。

これにより、包括的なコンテンツマーケティング戦略を構築し、複数の流入経路(チャネル)を通じて顧客にアプローチすることができます。

ECサイトのSEOに関するよくある質問

ECサイトにSEOは重要ですか?

SEO対策は、ECサイトに顧客を有機的に呼び込むための効果的な方法です。

多くの人がGoogleなどの検索エンジンを使って商品を探しているため、ターゲットとなる顧客が検索した際に、検索結果の上位に表示されることが重要です。そこで、ECサイトのためのSEOが不可欠となるのです。

Similarwebの調査によると、検索エンジンは、ECサイトへの訪問者をソーシャルメディアの10倍以上提供することが実証されています。

出典:グローバル検索マーケティングレポート – Similarweb

ECサイトのSEO対策はどういったものですか?

  1. ECサイトに関するキーワードの調査
  2. ユーザーフレンドリーなサイト設計
  3. 内部対策(キーワードの最適化)を行う
  4. ユーザー価値のある説明的なコンテンツを作成する
  5. 他の流入経路(チャネル)を確保する
  6. サイト表示速度向上とモバイル表示への対応
  7. 権威性のある被リンクの獲得
  8. サイトのセキュリティ対策(SSL化)
  9. コンテンツSEOを展開する

最後に

ECサイトは特有のSEOの難しさはありますが、やりがいを感じれる作業でもあります。

魅力的なコンテンツを作成、サイトのナビゲーションをカスタマイズ、商品ページの最適化、このような顧客に素晴らしい体験をしていただくための余地がたくさんあります。

本記事で紹介した内容が、ECサイトのSEOを検討、もしくは始めようとしている方の参考になれば幸いです。

最後にこの記事が参考になった、あるいはご質問などがある方は、ぜひコメント欄でお聞かせください。

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